講師インタビュー:鎌﨑拓洋(かまさき たくひろ)先生
Q:先生が東洋の自然哲学に興味を持ったきっかけはなんですか?
物心ついた頃からいつも抱き続けていた大きな疑問がありました。それは…
私たちの人生を決定する「本当の要因」は何か?
人生を形成する「根本的なメカニズム」とはどういうものなのか?
ということでした。
同じ境遇で、学校の成績も似たり寄ったりの二人が、時が経つとまったく違った人生を歩んでしまう。
私たちが人生で体験する福善禍淫、あるいは社会的な栄枯盛衰や興亡寿夭などの吉凶成敗の要因とは、学生時代の成績や性格の良さ、家庭の裕福さ等々の環境的な要因とはさほど関係のない、別の何かの作用が決定的な影響力を握っているのではないか? としか考えようがありません。
私は2005年のタイの大津波で、ひとりの友人を失くしました。
健康そのもの、いつも元気で努力家のがんばり屋さん…まわりを明るくするムードメーカーだった何の罪もない彼女。それが何故40代はじめの若さにして、あの津波に呑み込まれなければならなかったのか?
何故タイ経由のツアーにたまたま参加して、よりにもよって「あの瞬間」に「あの海岸」に居合わせなければならなかったのか?
この「たまたま」が積み重なった偶然の恐ろしいほどの「必然さ」について、誰が納得のいく答えを教えてくれるのでしょう?
こうした「人生の謎」を解明するために、大学では心理学を専攻しました。
しかし、心理学からは失望以外の何ものも得ることができませんでした。
ネズミを迷路に走らせる実験や統計学の知識が、人間の悩みや苦しみ・人生における問題の根本的な解決に繋がるとはとても思えなかったのです。
卒業してからも、長い間この「人生の謎」を探る旅を続けてきました。
その結果、ようやく行き着いたのが 東洋に伝わる自然哲学だった というわけです。
Q:東洋の自然哲学の一分野である「術数学」は、どのように勉強をなさっていったのですか?
大学の心理学に失望したあと、NLPを含めた「欧米系の心理セラピーのムーブメント」に関わっていきました。
その中で「心とカラダの不即不離のつながりについて」を学びました。
人の心の働きや、霊性というものさえ、カラダの働きと密接に結びついている。
心の問題の解決策は、カラダの中に求めることもできるのではないか(もちろん、その逆も)。
カラダを超えていくためには、まずカラダの中に入り直す必要があるということに気づいたのです。
それからは、「バック・トゥ・ザ・ボディ」が自分のテーマとなりました。
そして、上海から来日していた気功の老師に弟子入りして厳しい気功修行を開始しました。気功は、心とカラダを「気」というインター・メディア を通して「いかに協同・調和させるか」を教えてくれる驚異的なテクノロジーです。
私が本気で東洋の自然哲学を勉強してみようと思ったのは、この気功のトレーニングがきっかけでした。
気功の中には「自発動功」と呼ばれる功法があります。
ちょうど寝返りやアクビをする時のように「意識が介在しない本能中枢の働きを誘発させる運動」で、野口整体の「活元運動」と同様、全身で貧乏ゆすりをするような動きを見せます。
この「自発動功」の訓練の最中に、不思議な体験をしました。
自分のカラダが自働的に動き出すと、知らず知らずのうちに壁際にあった「金属のキャビネット」に引き寄せられてしまうのです。
何回やっても、いつも同じです。
奇妙に思って先生に質問してみると、老師は「君は生まれつき肺・気管支系が弱いからだ」と仰いました。
中国の「陰陽五行」の理論では、肺・気管支系は「金行」に当たります。
「自発動功」の最中は カラダが自分の必要な「気」を補おうとするので、無意識のうちに 金行が物質化されたものである「金属」に引き寄せられるのだ と教えてくれたのです。
老師のこの答えにはビックリしました。
それまで「陰陽五行論」は、どこか子供だましの理論のように思えて本気で勉強する気になれなかったのですが…
この体験から、陰陽五行論は「古代の人々がカラダで実感した深遠な真理なのかもしれない」と考え直すようになったのです。
それから、本格的に陰陽と五行について勉強を始めました。
また、「風水」との出会いも気功のトレーニングがきっかけです。
気功には「站椿(たんとう)功」という膝をゆるめて腰を落とし、長時間立ち続ける特殊な方法があります。
はた目には、カンガルーが立っているような奇妙な姿勢に見えるんです。
しかし、これを毎日続けると全身に天地のエネルギーが流入してくるのを実感することができるようになります。
自分の部屋でこの站椿功を行っているときに、また不思議な体験をしました。
小さな部屋の中で、あるコーナーに立って練習しているとどんどんエネルギーが入ってくるのを感じるのに、
ちょっと場所を変えると、今度はエネルギーが入るどころかどんどんからだが疲れてしまうのです。
これは気のせいなのだろうか?思い余って老師に尋ねてみました。
すると老師は、それは決して気のせいではなく「気」のせいなのだ と教えてくれました。
小さな部屋の中でも、エリアによって放射している気の質や強さが違う。
中国には、それを専門に研究する「フォン・シュエ」と呼ぶ術数の分野があるのだと。
そして「フォン・シュエ」が、「風水」という言葉の中国読みであることを知りました。
私は 心身と環境との共鳴を研究する風水という学問 にとても興味を持ちました。
しかし、80年代の後半の頃ですから、風水について書かれている文献はあまりなく、教えてくれる人もいませんでした。
手に入る限りの情報を集め、帰国した中国残留孤児の方に教えを受けたり、アメリカのカリフォルニア州で風水を教えコンサルティングしている台湾出身の大家にアポなしで会いに行ったりして、本格的に研究を始めたのです。
このように、私が「術数」の勉強を始めたのも、「陰陽五行論」に本気で取り組むようになったのも、すべて自分の「このカラダで体感した事実」が原点となっています。
Q:幅広い術数の分野の中でも、特にご専門とされている「四柱推命」とはどのようなものなのですか?
四柱推命は、「干支暦」と呼ばれる東洋の暦法システムに基づいて『個人の人生と社会の動向を推しはかる』精妙な学問です。
古代の中国の人々は、アインシュタインの一般相対性理論が発表される数千年も前に「この世界は“時空連続体”である」という事実 をすでに知っていたようです。
アインシュタインによれば、
時間と空間とは別々に存在するものではない。時間とは独立した次元の働きではなく、時間は空間とまったく同じ次元のものであると言っています。
宇宙から物質がなくなるときには、時間も空間もいっしょになくなってしまう。したがって、事象とは「時空間現象」である そうです。
四柱推命では、まさに人間を時空連続体として捉え、人生を時空間現象として分析します。
私たちが世界に誕生した瞬間を「ある特定の時間と空間とが絶妙に組み合わさったタイミング」として読み取るわけです。
命式
具体的には、出生した年・月・日・時のそれぞれについて空間を表す天干(十干)、そして、時間を表す地支(十二支)という二種類の記号を組み合わせて、四つのタテ長の干支の柱(四柱)から成る「命式」を作成します。
古代人は「十日間、毎日違う“空間”がやってくる」と考えていました。
十日間を「旬」と読んで、ひとくくりにしていたのです。
十日たつと「一旬」と数えたり、一ヶ月を上旬・中旬・下旬に分ける考え方は今でも残っていますね。
西洋占星術でも、十日間を「デーク」と呼んで一まとまりにしています。
十干
旬の字の中に「日」が入っていることからもわかるように、その空間とは主に「空間現象としての太陽」を意味しています。
十個の各々性質の違った太陽が毎日交代で昇ってくる。
そのそれぞれに、甲、乙、丙、丁…と名前がつけられています。
これが「十干」です。
十二支
また、自然界には「四つの季節のめぐりによって一年間が構成される」という時間のパターンが存在します。
そして一つの季節の中にも「季節の始まり・半ば・季節の終わり」という三つの期間が入っています。
それらを合計して、一年間を4×3=12区分する。
これが「十二支」です。
干支暦
干支暦は、自然界のサイクル・パターンの基盤となる循環する「フィボナッチ数列」の原理を十干と十二支の組み合わせで表したものです。
干支という表意記号の中に、空間と時間・質と量・精神性と物質性・魂と魄・数霊と言霊、アカシックとプラニック・「カゾ」と「イロハ」等々の、事象の両極性の意味が凝縮された奥が深いシステムが、干支暦なのです。
ちなみに事象の両極性とは、抽象化すると結局は すべて「陰陽」の関係 に収斂されます。
空間は陽、時間は陰に対応するわけです。
十干と十二支の組み合わせは、両者の最小公倍数である 60種類 存在します。
それらが、60年・60ヶ月・60日・60刻(120時間)の四つのサイクルで、時空間のフィボナッチ数列の流れの中を循環しているのです。
Q:四柱推命の「四柱」とは何でしょうか?
スロットマシーンのディスプレイに、四つの窓がついていると想像してみてください。
それらの窓の中でクルクルと回っていた図柄が、スロットのレバーを引いた瞬間に、アット・ランダムに停止して表示される。
これと同じように、年・月・日・時のそれぞれ60刻みのサイクルで、干支がクルクルと巡りながら時間が進行している中で、レバーを引いたその瞬間(すなわち赤ちゃんが誕生したとき)に、時空間に切り取られた「四つの干支」が「四柱」であり、それらを素材にして人生の傾向を推しはかっていく(推命する)のが「四柱推命」です。
私は四柱推命の授業の中では、干支を「運命の遺伝子」と呼んでいます。
干支における「10と12の関係性の組み合わせパターン」は驚くべきことに、生命現象の根幹である 私たちの遺伝子DNAの構造 にも共通して見出すことができます。
DNAの二重ラセン構造は、右巻きラセンの外側に左巻きラセンが巻きつくかたちで成り立っています。
右巻きラセンがひと回りすると、そこに10個の塩基の梯子ができますが
その外側をめぐる左巻きラセンがひと回りするときには、12の梯子ができます。
DNAの二重ラセン構造も、干支と同じ10と12の組み合わせ によってできあがっていたのです。
細胞生物学が個人の生命現象を読み解くために、「生命の遺伝子」であるDNAを分析するのとまったく同様に、四柱推命は、個人の運命現象を読み解くために、「運命の遺伝子」である干支を分析するのです。
Q:他の占術と比べたときの四柱推命の「長所」とは何でしょうか?
サイクルとタイミング
四柱推命の長所としてあげられるのは、第一に 人生を大きな「季節の流れ」としてとらえている ということです。
推命では「大運」と呼ばれる大きな春夏秋冬サイクルの中で、私たちの人生が有為転変していくと考えます。
植物の種子は発芽して生長し、季節に応じて変化します。
そして最後には次の世代の種を残して枯れ落ち、新たな植え付けのための堆肥となります。
こうした一つの季節のサイクルを終えなければ、植物は次の新しいサイクルを始めることはできません。
私たちの人生も、この植物の変容サイクルと同じように進行していきます。
ある意味で、私たちの現在の境遇はそれ以前の季節に自分が蒔いたものを刈り取っているだけである ともいえます。
また、収穫したら次の植え付けのために、種をいくらか残しておく必要があることもわかります。
四柱推命を知ると、人生のそれぞれの季節を楽しむことができる ようになります。
今の季節が「辛抱強く土を耕して種を蒔くタイミング」であるなら、その作業に精魂を傾けさえすれば、程なく努力の成果を豊かに刈り取るときが来る。
冬の厳寒のさなかに夏を恋しがったり、真夏の猛暑のなかで秋の名月を望んだりするよりも、それぞれの季節が与えてくれる贈り物をよろこんで受け入れることができる ようになります。
季節の移り変わりを知るように「人生の順境と逆境の両方」をあらかじめ予測して、凍てつくような冬の日には厚着して暖かく過ごし、夏の日のうだるような暑さには、避暑地で涼を取って快適に過ごす知恵を身につけることができる。
これが、四柱推命による人生改善法の一つです。
推命は、時の経過に伴う変容のサイクルに逆らわず、波に乗るサーファーのように、四季の変化の波の上で巧みに舵取りしていくこと を教えてくれます。
季節の連続的なプロセスの中の「ひとコマのシーン」として 自分の現状を把握することができる ので、過去の生き方の結果に基づいて、今後はどんな方針を立てて生きていくべきなのか? かなり明確に知ることが可能なのです。
両極を満たす真の幸福
また、人間存在そのものをかなり総合的にとらえているところも、四柱推命のもう一つの長所といえるでしょう。
推命は、人生をすべからく「両極に位置する二つの視点」から分析します。
たとえば、人間の幸せは「主観的な幸福(禍福)」と「客観的な幸福(成敗)」とに分かれ、真の幸福とは、両者が二つながらに満たされることであると推命では考えます。
「成敗」と呼ぶ客観的な評価基準ではリッチでセレブとみなされる人でも、病弱で寝たきりだったり心を通わす友人が一人もいないのでは、質的(主観的)な幸福感が満たされているとはいえません。もちろん、その逆もまた真なり、なのです。
私の教室には、西洋占星術系で既にプロとして活躍されている人たちも多く勉強に来ていらっしゃいます。
「何故わざわざ推命を学びに来たのですか?」と尋ねてみると、最近のお客さんは 『あなたはこんな人ですね!』と性格をズバリと言い当てても少しも驚かない そうなのです。
「そんなことは本人の自分がいちばんよく知っている。それより知りたいのは、自分がこれから先に具体的(社会的)にどうなっていくかだ。」…と切り返されてしまう。
だから私は、それに対する答えを持っている四柱推命を勉強に来た、と言うのです。
「内面的・主観的傾向」だけではなく「社会的・客観的な自分自身の動向」を見事に読み解く知恵と技術を推命は持っています。
さらに、四柱推命では「本人に宿る本来の傾向」も二つの側面からとらえています。五行の旺衰から判断する気質と、五原則から判断する人格(パーソナリティ)です。
気質とパーソナリティ
気質は、知らず知らずのうちに思わずやってしまう心とからだの癖や、無意識に起こしがちな行動や考え方のパターンを意味します。
これに対して「パーソナリティ」は、人との関わりを通して相手に見せる自分や社会的な自己を意味しています。
職業選択の場合も
「自分がそれをやって心から満足できる・本来の気質に合っている仕事(好きな仕事)」
「社会的に評価され稼げる仕事(得意な仕事)」
とに分けられるのです。
両者が共に満たされていることが、本当の仕事運の良さであるとみなします。
実は、生まれつき不変のものであるとされてきた 気質そのものにも「光と影の二つの側面」が存在します。
人生の季節の変化に応じて、そのどちらかが強く前面に出ているかに違いがあるのです。
たとえば、辛金(陰の金)タイプに分類される人は本来はプライドが高く、もって生まれた品格と美的センスにすぐれているかもしれませんが、時期によっては辛金の影に隠れたもう一つの側面である庚金(陽の金)が顔をのぞかせることがあります。
この影の部分が活性化されると、いつものその人らしくない捨て身の強さや働き者ぶりを突然発揮することもある…というわけです。
このように四柱推命に習熟していくと、人間というものが 決してステレオタイプにスパッとは割り切れない、環境や時期によって微妙に変化しうるファジーな存在である ことが、だんだんわかってきます。
こうした陰陽両極からのホリスティックなアプローチによって、鑑定では その人をより立体的・総合的に捉えたアドバイス が可能になるのです。
Q:逆に意地悪な質問ですが、「短所」はありますか?
推命で判断しにくいところがあるとすれば、ある人物の人生を正確に読み解くためには「本人の正確な出生データを知る」ことのほかに、その人自身の「背景」をもしっかりと知っておく必要がある、という点でしょう。
これを術数の世界では「筮前の審事」と呼びます。
手塚マンガの主人公「ブラックジャック」がすごいのは、その天才的な外科手術の技術もさることながら、一瞬で患者の個人史、すなわち「背景」を読み取ることができる能力を持っているところにあります。
だからブラックジャックは診断を誤ることがなく、成功率の低い手術でも奇跡的に成功させることができます。推命コンサルタントの心得も、まったく同じですね。
背景とは
その人物の「個人史」や人間関係を含めた広い意味での「環境」、もっと広範にとらえると「時代や社会」を含みます。
私が『タオイストの思考法』と呼んでいる東洋自然学の基本的な思考フレームの一つに
- 陽の価値は 陰によって決定される
- 陰の価値は 陽によって決定される
という考え方があります。これを人生の出来事に当てはめると
- 空間の価値は 時間によって決定される
- 時間の価値は 空間によって決定される
ととらえることができ、さらにまた
- 「対象」の価値は「背景」によって決定される
と応用することもできます。
人生の半ばを過ぎた人のこれからを正確に鑑定しようとすると、その人が「果たして今まで自分の基本的な性格傾向に、うまく適合した環境を選び取ってきたかどうか?」を知ることが不可欠になります。
過去にしてきた選択次第 で、これからの人生行路はかなり違ったものになるからです。
このように、命式(対象)だけがわかっても、それを取り巻く背景のあり方が審らかでなければ、まったく片手落ちの鑑定になってしまう恐れがある のです。
これを逆から考えてみると、自分の基本的気質や性格がしっかり把握できたならば、それにうまく 適合・調和する環境を選ぶ ことによって、人生をより充実した楽しいものに改善することができるということになります。
仮にある人の命式を分析した結果、その人が「大きな樹木に育って、たくさんのおいしい果実をならす可能性をもったリンゴの苗木」ということがわかったとします。
自分の潜在可能性を最大限に発揮させるためには、リンゴの苗木は九州や沖縄のような温かい地域に植えられるよりも「比較的寒冷な地域で育ったほうが好ましい」ことがその命式からわかります。そうかといって、北海道ではちょっと寒すぎる。
結局、「東北地方の津軽・青森あたりの涼やかな地域」が苗木を植えて最大限にその潜在可能性を開花させ、「たくさんのおいしいリンゴの果実を収穫する」に もっともふさわしい場所 であることが判明するわけです。
健康問題の鑑定 をする場合でも、たとえ生命力がかなり弱まりそうな時期がめぐってくることが予測できたとしても、自分の気質・体質に合った食生活を行い、健康面の弱点を補う生活を習慣づけているのなら、その時期は必ずしも致命的とはならない のです。
ニューヨークに渡って成功した元レスラーの実業家「ロッキー青木」は「成功する人間は、いつも自分をラッキー・ポジションに置く」と語っていますが、東洋自然学の観点からも正鵠を射た言葉だといえるでしょう。
20年以上にわたって推命を研究し、鑑定経験を積んできた一つの結論として言えるのは、「人間の運命はあらかじめ決まっているわけではない」ということです。
生まれ持った自分の傾向性をキチンと理解して、自分にとっての「ラッキー・ポジション」とは何かを正確に把握しさえすれば、その命式(基本命)に適合した環境や人間関係を選び取ることによって、人生やビジネスを好転させることは十分に可能なのです。
Q:四柱推命で人生をアップグレードするための方法とは?
さきほど「選び取る」ということを申し上げました。
人生とは「選択」の連続です。
あなたが現在そのような境遇にいるのは、かつて人生の分かれ道に立ったときに「どちらかの道」を選び取ってきた結果 です。
そして選択の総和として、あなたは現在の人生を体験しています。
しかし、矛盾したことを言うようですが…
四柱推命は、私たちは必ずしも自らの意志の結果として「物事をつねに自由に選び取って生きているわけではない」という事実を突きつけてきます。
パターンとスペース
なぜかいつも「だめんず」ばかりとつき合って、散々な目に遭ってきた女性が幸せな結婚を願い、心機一転「この人こそは!」と新しいタイプの頼もしい男性とおつき合いしたとします。
ところが、しばらくつき合ってみると、結局その男も「だめんず」だった…というようなことが人生ではたびたび起こっているようです。
私たちは、自分の意志で自由に物事を選び取っているように見えながら、その実、知らず知らずに特定のパターンを繰り返してしまっています。
人生で幸福と成功をつかみ、なりたい自分になるためには、まず 自分の奥深くに埋め込んでいる「自動的な反応パターン」の存在に気づくこと が重要です。
それを 意識化する(自覚する)ことができたとき、心に「選択肢」が生まれます。
いままで通りの反応パターンを繰り返して、以前と同じような行動を取り、結果これまでと同じ不満足な人生を送るのか?
それとも、そのパターンを打ち破って新しい自分になる決断と選択をするか?
名著『夜と霧』で知られる精神科医V・フランクルが語る次の言葉は、私たちが人生を変える秘密の鍵を明らかにしています。
刺激と反応の間には、いくばくかの「スペース」が存在している。
精神科医V・フランクル
私たちはこの「スペース」の中で、自分の反応を選択する。
私たちの成長と自由は、私たちが選ぶ反応にかかっているのだ。
じつは、私たちが四柱推命のシステムを学ぶことによって分かるのは、たった二つのことだけです。それは、
- 刺激に対してどんな「反応」をしやすいか
- どんなサイクルで「刺激」がやってくるか
この二点だけなのです。
しかし、この二つを知るだけで、私たちは自分の人生を、まったく違った次元から眺めることができるようになります。
刺激と反応の間のスペース(余裕)を、よりハッキリと捉えることができるようになるからです。
これによって、もって生まれた気質や傾向性、無意識の反応パターンを客観的に知る ことが可能となります。
そして、いままで自分が「どんなメカニズムで行動してきたのか」わかってきますし、現在「人生のどの季節の中」にいて「どんな生き方をするのが有効か」も客観的に捉えることができるようになります。
いつも同じ失敗を繰り返したり、幸福よりも不幸のほうを常に選び取ってしまう自分自身を「意識化」することができるのです。
簡単なようでいて、この「意識化」がとても重要です。
貯蓄やダイエットにも応用可能
「金使いが荒くて少しも貯金できない人」がいたとします。
ただ自分の持って生まれた金銭感覚のパターンを知らずに、いつもお金が無いことを嘆いているだけなら何も変わりません。いつまでたっても「金運」には恵まれないでしょう。
しかし、四柱推命で自分の財のパターンを知れば、みずからの金銭感覚を客観的に「意識化」することが可能になります。
そして自分の弱点をカバーするような方法を意識的に選択できるのです。
ある種の浪費パターンを持つ金運の人によくアドバイスするのが「おこずかい帳エクササイズ」です。
やり方はとても簡単。節約や貯金のことは一切考えずに、ただ「その月にいくら収入があって・今日は何にいくら使ったのか」を記録していくだけです。
おおざっぱでは意味がないので、必ず一円単位で記入します。
これを毎日続けていくだけで、不思議なことに特に節約しようとは思わなくても、自然と以前よりもお金を使わなくなってきます。
これが、五原則の中の「財気(制気)」が整って安定してきたサイン となります。
単純なエクササイズですが、自分が無意識に行っている支出行動を意識化することだけで、根深い浪費パターンをブレイクスルーできるのです。
これとまったく同じ方法をダイエットに応用しているのが、オタク評論家、岡田斗司夫さんの「レコーディング・ダイエット」ですね。
毎日、食べたものとそのカロリーを克明に記録していく。
それ以外は何もせず食事制限すらしていないのに、岡田さんは100キロを超えた体重を一年ほどで50キロ減量することに成功したそうです。
いずれにしても、人生改善と自己成長の鍵は「私たちのこころの深層」に埋め込まれている。
知らず知らずに繰り返してしまう無意識の反応パターンの存在に「気づく」こと、「意識化」することにあります。
これは昔から、意識の進化を目指す人たちのあいだで「自己想起」とか「離見の見」などと呼ばれてきている方法と同じです。
また最近では「マインドフルネス」という言葉でビジネス界に広まりつつありますね。
四柱推命は、有効に活用するならば、「起きながら眠っている人」が、いつもと変わらぬ反応を無意識に繰り返している「眠りの状態」から目を覚まして、新しい次元の人生を歩み始めるための「自己覚醒のパワフルなツール」となってくれるという事実を、もっと広く世の中の人々に知っていただきたいと思うのです。
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